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DATE 2025年8月17日(日)
工場や倉庫の屋根・外壁は、日常的に負担がかかっています。紫外線や雨風は大きなダメージを与える要因です。工場地帯や交通量が多い場所なら、排気ガスによる汚れも考えなければならないでしょう。海岸に近い場所なら塩害で着実に劣化します。
外観上は問題がないように見えても、ある日雨漏りが発生する危険性もあるのです。雨漏りが発生すると生産設備が濡れた場合、破損の危険性があります。在庫品の品質低下や納品遅れも発生しかねません。長期の操業停止といった深刻な事態を招く恐れさえあるのです。
そこで今回のお役立ちコラムでは、工場の屋根・外壁の劣化を、自己チェックする項目や診断方法についてくわしくお話しします。チェックリストがあれば、日常的に劣化状況を適切に判断でき、修繕のタイミングも見極められるのです。
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工場屋根・外壁の劣化は「気づかないうち」に進行する
工場や倉庫は、一般戸建てと比較すると規模が大きい傾向です。屋根・外壁の面積も広いですから、紫外線や酸性雨のほか、排気ガスの影響を受ける範囲も広くなります。
見た目だけならきれいでも、細かく見ると屋根や外壁塗装が剥がれていたり、金属部分が腐食していたりするケースもあります。劣化を放置するとどのようなリスクがあるのかくわしくお話しします。
雨漏りで機械やラインが停止すれば大損害
工場の屋根が劣化して、サビが発生したとします。サビは下地材をもろくする要因です。穴が大きくなると屋根に落ちた雨水が大量に流れ込むことになります。穴の下に自動化ラインや精密機械のような設備があれば危険です。
生産工程全体を止めることになり、設備の電気系統がショートする危険性もあります。センサーの誤作動や、モーターの焼損さえ引き起こしかねません。
ラインが停止したときのことをイメージしたら、青ざめる状況に陥ります。復旧には数時間〜数日かかりますし、その間の生産量はゼロです。ただ、人件費や光熱費は発生し続けますから「生産できないのに経済的な損失は膨らむ」という状況になります。
湿気や水濡れによる製品不良
倉庫一体型の工場や製品を保管エリアで雨漏りが発生すれば、製造したものをダメにする危険性もあります。屋根や外壁の隙間から侵入した雨水が、製品に落ちれば最悪です。
とくにダンボールを梱包している場合、出荷できなくなります。ダンボールは湿気に弱いので、濡れることで強度の低下やカビの発生を招くのです。貼っていた商品ラベルも濡れると、インクが滲んだり破れたりします。
電子部品や食品はさらに深刻です。少量の水濡れでも出荷基準を満たせません。保管していた場所に大量の雨が落ちてくれば、すべて廃棄となる危険性さえあります。
修繕費が膨らむ
塗膜の剥がれやボルト部のサビは、早期に補修さえすれば足場を組まなくても部分施工で済む場合もあります。数十万円程度の補修費用で抑えられるのです。
放置すれば、サビは広がります。ボルトから鋼板まで広がり、広範囲に被害が出れば屋根全体の交換も必要です。下地の鉄骨や断熱材まで水を含んで腐食したり劣化したりするのも厄介な状態と言えます。大規模な下地補修や断熱材入れ替え工事が必要となりますから、大規模修繕につながりかねません。早期に対処しておけば数十万円に補修費用を抑えられていたところ、数十倍に膨れる場合もあるのです。
定期点検を怠ると保険の減額・不支給になる可能性
火災保険や企業向け動産保険には、風災・雪災・雹災による屋根・外壁損害が補償対象に含まれる場合があります。ただ、保険金請求の際に「経年劣化」が原因と判断されると、補償対象外になる場合もあるのです。
損害が自然災害でも「定期的なメンテナンスを怠っていた」と見なされると、減額や支給されないと判断されることもあります。保険会社は現場写真や点検記録の提出を求めますから「日常的な劣化記録の有無」が補償額に直結するのです。
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自社で行える「工場屋根・外壁 劣化チェックリスト」
工場の屋根や外壁が劣化していないかどうかは、一般の方でもある程度行えます。さらに本格的な調査をするなら、屋根や外壁の塗装会社や専門業者の領域です。ただ、日常的な劣化は、チェックリストと照らし合わせることである程度、チェックできます。
チェックのために準備するもの
- 脚立
- 双眼鏡
- カメラ(望遠レンズ推奨)
このような道具を使えば、専門業者を呼ばなくても確認できます。ただし、高所作業をするなら必ず安全帯やヘルメットを着用するのが鉄則です。安全性を高めるなら2名以上で行います。万が一、事故が発生したら、他の方がすぐに救急車を呼べるからです。
ただ、仕事とはいえ、基本的に、高所作業は屋根や外壁の専門業者に任せたほうがいいでしょう。専門業者の職人でも滑落事故は発生しているからです。
参照:厚生労働省 工場改装工事においてスレート屋根を取り外す作業中スレートを踏み抜き墜落
以下、外壁や屋根の劣化サインについて、表にしてご紹介します。
場所 | 状態 | 初期対応 |
屋根 |
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外壁 |
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付帯部・周辺設備 |
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専門業者に依頼したほうがいいケースとは?
屋根や外壁の高所など、専門業者に任せたほうがいいケースも多数あります。以下で内容をくわしくお話しします。
高所作業で安全確保が難しい場合
工場の屋根や外壁の多くは、高所作業となり転落リスクを伴います。足場の設置や高所作業車の使用が法令上求められることもあるため要注意です。安全帯や命綱の装着だけでなく、足場作業主任者なども求められます。
自社で安全管理が難しい場合や設備がないなら、専門業者に依頼したほうがいいのです。また、足場設置のタイミングで塗装工事もまとめて検討できるため、コスト面でもメリットがあります。
安全確保が不十分な状態で、部下に対して無理に自己点検や補修を指示するのは控えたほうが無難です。労災事故や損害賠償リスクが発生します。
赤外線カメラやドローン調査が必要な場合
外観からは見えない屋根・外壁内部の劣化を早期発見するなら、特殊な診断機器が有効です。
赤外線サーモグラフィは、断熱材の剥離や湿気の溜まり具合を温度差で可視化できます。内部の水分浸入や断熱劣化を検出できるのです。
ドローン点検は、広範囲の屋根・外壁の高所撮影や難所の死角に対し、安全性を確保しながら確認できます。高解像度カメラと赤外線センサーの両方を搭載した機種もありますから効率的です。
ただし、専門的な操作・解析技術が求められます。運用は難しいため、専門業者に任せたほうがいい分野です。人的調査では見逃しやすい劣化箇所を網羅的に調査でき、将来的な補修計画の精度を向上させられます。
塗膜・下地・構造部材の内部損傷調査
屋根や外壁の塗膜が剥がれていても、表面だけでなく、内部の下地や構造部材に重大な損傷が隠れている場合もあります。
たとえば下地材の腐食では、鋼板のサビの進行、鉄骨の腐食による強度低下も考えられるのです。断熱材が劣化し、水分も吸収しているなら、断熱性能は低下しますし結露しやすくなるのです。
目視や表面のチェックだけでは判別が難しいと言えます。専門のハンマーやセンサーで調査する打診調査も必要です。超音波や電磁波を活用し、内部欠陥の検出をする非破壊検査も求められます。
専門業者はこのような調査方法を適切に使い分けて、問題箇所を科学的に特定できるのです。
工場屋根塗装はカトペンへ!失敗しない業者選びの第一歩
工場や倉庫の屋根・外壁は、規模が大きく高所作業も伴うため、一般住宅以上に専門性が求められます。サビやひび割れを放置すれば雨漏りや設備故障を招き、生産停止や多額の修繕費に直結します。
今回のコラムでご紹介したように、セルフチェックで初期劣化のサインを見つけることは大切ですが、赤外線カメラやドローン調査、非破壊検査といった高度な診断は専門業者でなければ対応できません。特に工場屋根塗装は、安全性・耐久性・コスト管理の3つをバランスよく満たせる業者を選ぶことがポイントです。
株式会社カトペン/プロタイムズ東三河店/豊橋中央店では、点検から診断、補修・塗装まで一貫して対応し、工場の安定稼働を守ります。まずは無料相談から、劣化状況に応じた最適なプランをご提案いたします。お問い合わせはフォーム・メール・電話、またはショールームへのご来店にてお気軽にご相談ください。
DATE 2025年8月14日(木)
近年、大型台風や集中豪雨により工場にも被害が出ています。台風や豪雨によって工場の屋根や外壁が破損し、雨漏りに発展するようなケースです。
工場の屋根や外壁は広範囲に渡るだけでなく、高所にあります。台風や豪雨の影響をもろに受けるだけでなく、劣化や破損があっても気付くのが遅れることも多々あるのです。
元々劣化していた場合、台風や豪雨で一気に損傷が進行する場合もあります。台風に対する工場の雨漏りを防ぐには、破損につながらないよう定期的に劣化していないかチェックが必要です。
ただ、的確なチェックには「工場屋根や外壁の劣化」について、知っておかないといけません。有効なのは、工場屋根や外壁の劣化セルフチェックリストと照らし合わせる方法です。
そこで今回のお役立ちコラムでは、工場屋根や外壁の劣化セルフチェックリストについてご紹介します。すぐにでもできる簡単診断のため、積極的にご活用ください。
台風や豪雨による雨漏り対策は日頃から劣化チェックが必要
台風による雨漏り被害を未然に防ぐための「工場屋根・外壁セルフチェックリスト」をご紹介します。日常点検で確認すべき箇所や劣化のサイン、応急処置の方法、専門業者へ依頼する際のポイントを知っておきましょう。台風や豪雨で工場が破損すれば、生産停止や設備損傷といった甚大な損害リスクを大幅に軽減できます。
工場の屋根や外壁は、台風が来る前に必ず状態を点検しなければなりません。そのうえで必要に応じて補修を行うことが、雨漏り被害を防ぐ最も効果的な方法です。とくに台風は短期間で被害を拡大させるため「異常を見つけたら即対応」が鉄則です。そのためにもセルフチェックの習慣化が求められます。劣化を早期発見できると、生産停止や設備損害といった甚大な損失を避けられるのです。
雨漏りによる雨水が侵入した場合に発生する深刻な影響とは?
工場や倉庫における屋根裏の結露や雨漏りが原因で発生する、深刻なリスクについてまずはくわしくお話しします。
生産ラインの停止
設備保護や安全確保の観点から機械の稼働をストップしなければなりません。屋根裏からの水滴が生産ラインの設備に落ちれば、故障してもおかしくないからです。とくに精密機械や電子制御装置の弱点は水ですから、少しの水濡れでも誤作動につながります。誤作動だけでは収まらず、損傷につながる危険性もあるのです。生産ラインがストップすれば、当然、生産計画の遅延や機会損失に直結します。経営にも大きな影響を与えることになるでしょう。
原材料・製品の破損
保管している原材料や製品が雨漏りや結露による水濡れ被害に遭う可能性も考えられます。品質が著しく劣化すれば、製品としては出せません。とくに、紙製品や繊維のほか、食品などが水濡れ被害に遭うと使い物にならないのです。廃棄処分になれば、多額の損害が発生しますし、取引先への納品が遅れることになり、信用を落とす原因になります。
電気設備のショート
停電や火災のリスクも雨漏りによって引き起こされる重大な事故です。工場や倉庫の屋根裏には、照明や換気設備のほか、生産ラインにつながる配線などが設置されています。屋根裏の結露や雨漏りで濡れると、ショートが発生し、停電だけではなく火災事故にまで発展しかねません。従業員の命を脅かす大問題ですし、工場や倉庫全体に大被害をもたらす事態に発展します。
建物構造へのダメージ
劣化は鉄骨の腐食やコンクリートの爆裂現象を引き起こします。雨漏りを放置すると建物の構造体そのものにダメージを与えるからです。
とくに注意したいのは鉄骨造の建物と言えます。鉄骨が雨に濡れるとサビが発生し、建物全体の強度が低下する事態を招くのです。コンクリート造でも、ひび割れから雨水が内部に侵入する危険性があります。内部に設置された鉄筋が錆びると、体積が増えて周囲のコンクリートを圧迫して破損させるのです。爆裂現象と呼ばれる現象で、高所で発生すれば落下して危険過ぎます。
建物の耐久性や耐震性は失われますし、大規模修繕も必要です。被害額が数百万円から数千万円に及ぶケースさえあります。建物の倒壊リスクも高めるため、工場や倉庫の閉鎖さえ考えなければなりません。
このようなリスクを未然に防ぐためには、日頃から劣化リスクに対する意識を高めることが重要です。定期的な点検と、早期の対策が、工場や倉庫を守ります。結果、安定した工場や倉庫の運営を維持できるのです。
ただ、多くの工場や倉庫では「台風直前に慌てて補修依頼する」というケースが見受けられます。ただ、リフォーム業者や塗装業者もスケジュールが埋まっている場合も珍しくありません。対応が遅れ、被害が拡大する悪循環に陥るのです。
劣化を見極めるセルフチェックリスト
ここからは、工場の劣化サインを見極めるためのセルフチェックリストをご紹介します。台風シーズンが近づいてきたら、必ず点検しておきたい劣化サインをリストアップしました。セルフチェックにお役立てください。
【屋根】
- 錆・腐食の発生(金属屋根の場合)
- 塗膜が剥がれて下地が露出
- 波板や折板の固定具が緩んでいる。紛失している箇所もある
- 屋根材の割れや欠け(スレートや瓦の場合)
【外壁】
- ひび割れ(ヘアクラックや構造クラックまで)
- シーリング材の硬化・ひび割れ・剥離
- 広範囲に塗装の浮きや剥がれが見られる
- 広範囲に色褪せが見られる
- 雨樋・排水設備の破損・変形・外れ
- ゴミや落ち葉の詰まり
- 支持金具の緩み
【屋根裏・天井裏】
- 水染み跡(新しいものだけではなく、明らかに古いものもチェック)
- 普段からカビ臭や湿気がこもっている
参照:国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課 倉庫管理主任者マニュアル
台風後は48時間以内が理想
台風が通過した際も、チェックリストを活用して早期点検を実施してください。理想としては48時間以内に目視と写真記録を行って、損傷箇所を早めに明確化することです。また、被害箇所を写真撮影して記録することも重要です。
- 保険申請の証拠になる
- 補修範囲の正確な見積もりが可能
- 複数業者の比較検討に活用できる
このような点で写真記録は重要な意味を持ちます。
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劣化を発見したら?応急処置
応急処置と言っても、工場管理者やメンテナンス担当者自身が行える内容には限界があります。ただ、何もしないよりも被害の拡大防止が期待できるのです。
- 錆びた箇所に防錆スプレーや防錆塗料を塗布して進行を抑える
- シーリングの劣化部分に防水テープを貼って雨水侵入を防止
- 雨樋や排水口のゴミを除去し、排水路を確保
- 屋根材の欠損部には仮の防水シートを固定
- 応急処置は一時的な対策に過ぎない
工場の屋根や外壁の本格的な修繕は、専門のリフォーム業者や塗装業者に任せるしかありません。あくまで被害の拡大を防ぐための時間稼ぎ程度と考えておいたほうがいいでしょう。応急処置後、数年間保つものではありません。
たとえば、雨漏りの原因箇所をブルーシートで覆ったとします。ただ、ブルーシートの耐候性は長くありません。紫外線や風雨で劣化しやすいため、数日〜数週間程度しか保たないと認識しておいたほうがいいでしょう。
根本原因は解決していない
屋根材や外壁材そのものの破損やシーリングの劣化、そのほか錆も含めた下地の腐食は何も解決していないのです。台風が過ぎたとしても、また次に台風が来れば保ちません。再び雨漏りが発生してもおかしくない状態です。
台風後は必ず本格的な補修を
応急処置後、早めに雨漏り修理の専門業者に相談してください。本格的な診断をすることで、的確に根本原因を特定して補修できるからです。
雨漏りでは、破損した箇所から数メートルほど離れた場所に水が回り込む場合もあります。天井裏や壁の内部まで静かに広がることもあるため厄介です。
専門業者の場合、以下のような科学的な調査で雨漏りの原因を特定します。
- 赤外線カメラによる浸水範囲の特定
- 散水試験で漏水経路を確認
- ドローン点検による屋根・外壁の高所調査
このような対処は専門業者しかできない場合も多々あります。自己判断で放置すると損傷が拡大するため、早めにご相談ください。
保険対応は施工前に必ず確認
台風で被害に遭った場合、火災保険や企業向け動産保険の補償対象になる場合があります。保険金を受け取るには、補修する前に保険会社へ問い合わせをしてください。施工後だと、保険会社は被害の全貌を確認できないからです。その場合、保険金が支払われないリスクも出てきます。保険会社へ報告するまでに、損傷箇所の写真や動画撮影は必須です。
そのほか、修繕見積書の取得をしてください。複数社から見積もりを取るのがポイントです。その後、保険会社へ被害報告と現地調査の依頼をしましょう。
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工場や倉庫の屋根・外壁は、普段気づきにくい場所だからこそ、劣化が進んでいても台風や豪雨の際に一気に被害が拡大するリスクがあります。今回ご紹介したセルフチェックリストを活用することで、サビやひび割れ、シーリングの劣化などを早期に発見し、応急処置を行うことは可能です。
しかし、それだけでは根本解決にはつながりません。雨漏りは目に見える箇所以外に浸水が広がることも多く、赤外線カメラや散水試験、ドローン調査といった専門的な診断が必要になるケースも少なくありません。工場の生産停止や設備故障、製品の破損といった大きな損失を避けるためにも、セルフチェックをしたあとは信頼できる業者に早めに相談することが重要です。
株式会社カトペン/プロタイムズ東三河店/豊橋中央店では台風被害の防止から補修、保険対応のアドバイスまで一貫してサポート可能です。お問い合わせはフォームからのお問い合わせ、メールや電話でのご相談、またはショールームへのご来店でお気軽にご相談ください。
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